アルカロイド
窒素を含む有機化合物の内、アミノ酸、ペプチド、たんぱく質、ヌクレオチド、拡散、アミン、抗生物質などを除いたものの総称で、高等植物(所謂木や草花)の内およそ4分の1程度の種がアルカロイドを含んでいると言われている。多くの場合塩基性を示し、人体を含め多くの動物にとって有毒であり、幻覚作用や興奮作用、神経麻痺などを引き起こす。植物毒の大半はこのアルカロイド系であり、今なおアルカロイドというと植物を連想する人は少なくない。
強い有毒作用を持つということは逆に言えば薬品としての期待も高く、幾つかの成分は解熱、鎮痛、麻酔、向神経薬、精神安定剤などとして用いられている。一方でアルカロイドには中枢神経へ影響を及ぼす成分もあり、これらは覚醒剤として取締りの対象となっている。勿論そのまま毒物として用いられる成分も有る。
コーヒーやカカオになどに含まれるカフェインやテオブロミンもアルカロイドの一種であり、カフェインに軽度の覚醒作用があるのは有名な話。身近なところでは他に脳内麻薬の別名を持つドーパミン、ジャガイモの芽に含まれているソラニンなどがある。他にもタバコに含まれるニコチン、狩猟などに用いられるストリキニーネ、麻薬として名高いコカイン、第二次世界大戦時には鎮痛剤として重宝されつつも現在は麻薬の一種に数えられるモルヒネなどは耳にする機会が多い。
また、スズラン、彼岸花、トリカブト、ジギタリスなどはアルカロイド系の猛毒を持つ植物として日本で有名である。その他アカネ科、キンポウゲ科、ヒガンバナ科、ユリ科、ケシ科、ナス科などに属する植物の多くがアルカロイドを含んでおり、利き馴染み深い植物としては上記の他に福寿草、アネモネ、ニリンソウ、センニチソウ、クリスマスローズ、翁草、金鳳花、鬼灯、南天、百合、チューリップ、ヒヤシンス、アマリリス、ポインセチアなどが挙げられる。意外なところではトマトにも含まれるが、これはトマトが未熟な場合及び食用とされない部分に含まれているだけなのでご安心を。上記のジャガイモもそうだが、食されない部分にアルカロイドを含む野菜もまた少なくない。
植物ではないが、ふぐ毒もアルカロイドの一種である。
なお毎年無害の野草(山菜)と間違えてアルカロイドを含む植物を食してしまう事故が報告されている。またアルカロイドに限った話ではないが一般に無毒と認識されている植物であっても普段食用されない部分は有毒である場合もある為よくよく注意されたし。
アロマ
カッピング用語の一つ。Aroma。
抽出したコーヒーから漂う香りを表す言葉で、スペシャルティコーヒーやカップオブエクセレンスの選出時に使われるスコアシートにもある項目の一つ。SCAA方式ではフレグランスとあわせて0点満点で採点し、香りの質とそこから類推されるイメージを自分なりの言葉で表す。CEO方式の場合はあくまで参考項目であり、点数評価などはしない。
同じく香りを評価する項目としてフレグランスとフレーバーが有り、言葉の上ではややこしいが、これらとの違いはコーヒーの状態にある。アロマはあくまで抽出されたコーヒーの香り、つまり液体としてのコーヒーの香りを評価するもので、粉に湯を注いだ瞬間から実際に口に含む直前までが評価の対象となる。例えば抽出したコーヒー液を攪拌したときに立ち上る香りなどもアロマの項目で評価される。
それに対しフレグランスは豆(焙煎豆)の状態での香りを表し、フレーバーは口に含んでから飲み込むまでの間に感じる香りと味を評価の対象としている。その為、例えば豆を挽いた時に立ち上ってくる香りはフレグランスの項目で評価することになる。
なお、生豆の状態では殆ど香りはせず、コーヒーの香りの大部分は焙煎によって引き出される。また、香りの成分は様々な揮発性物質から成り立っており、刺激を与えたり熱を加えたりすることで空気中に拡散される。コーヒーの香りが特に豆を挽いたり湯を注した瞬間に強く広がるのはその為である。勿論ほかっておいてもどんどん香りは飛んでいくので要注意。
アロマシールパック(アロマブレスパック)
株式会社ヤマノやニコノスなどが製作しているコーヒー豆専用の袋のこと。ヤマノのものをアロマシールパック、ニコノスのものをアロマブレスパックと呼ぶが、基本的には商品名の違いである。
アロマパックと同じく、コーヒーの炭酸ガスを外部に放出する機能が付いているのが、それをバルブではなく特殊なシールを袋の合わせ目の部分に貼る事で達成している。見た目はクラフト紙の袋だが実際はアルミとプラで出来た袋の表面にクラフト加工を施した物で、通常のクラフト紙の袋と比べ紫外線の影響を受けにくく、ガスを外へ放出する事で外気の進入を防ぐ為、機密性、保存性共に勝る。
一方でアロマパックと比べると、その仕組み上炭酸ガスが抜けきった後は外気が進入する可能性があるなど、保存性、機密性で共に劣り、長期の保存には向かない。ただしコストはこちらの方が幾分安くガスの排出量で勝るため、個人の自家焙煎屋をはじめとした様々なコーヒーショップで重宝されている。なお表面をクラフト加工していないアルミ製の袋もある。
上記の通り長期保存には向かない為、開封後はもとより開封前であっても出来るだけ早くガスバリア性の高い密閉容器に移し変えることが望まれる。
アロマパック(アロマキープパック)
APに同じ。
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AP
アロマフィンバルブ
アロマパックに付けられている丸いフィルム状のワンウェイバルブのこと。ボタン型のワンウェイバルブに比べ安価で取り付けがし易いのが特徴で、スーパーなどの店頭販売からネット通販まで幅広く使われている。