アロマフィルター
メリタ社が販売するペーパードリップ用のドリッパーの一つ。
同社の通常のドリッパー(メリタではドリッパーの事をフィルターと呼ぶ)は台形の底辺にあたる部分の中央に抽出用の穴が一つ開いているが、アロマフィルターは穴の位置が1cmくらい高い位置に作られている。メリタ曰くこれは「抽出前にコーヒーを蒸らし、深くアロマを引き出す」為の物。
穴の位置が高くなっている為、ドリッパーからお湯が落ちた後中に湯が少し残るのが特徴。その為メリタの通常の淹れ方をした場合、蒸らし時のドリッパー内の水分量が多くなり、尚且つ一番下の部分は湯に使った状態となる。また、最後に落とした湯がドリッパー内に留まり、最後まで落ちきらない。この為メリタの通常のドリッパーと比べて味や香りが濃くなり、雑味が出難くなっている。
その他、ドリッパーの背の高さ、リブの切り方などに違いが見られる。
アロマフリージング製法
UCCが誇る数多の特許技術の一つ。特許第3617906号。
焙煎直後の豆を-2℃の冷気で急速冷却しつつ、冷却に使った空気を再度冷却し循環させるという方法を取る。その為、閉鎖空間での冷却となる。素早く冷やすことにより余熱による焙煎の進行を防ぎつつコーヒーの香り成分の発散を防ぎ、尚且つ冷気を循環させる事で冷却に使った空気に移った豆の香り成分を豆の中に閉じ込めることが出来るとしている。これにより従来よりも香り高く風味豊かなコーヒー豆が出来るという。
また、冷却時には排気や脱臭を一切行わないという特徴も持っており、排気・脱臭は焙煎中にのみ行っている。この為、脱臭機の運転コストが削減できるとのこと。
なお、UCCのHPでは-2℃の冷気と書かれているが、実際に特許に記されているのは10度以下の冷気である。
アンウォッシュド
コーヒーの精製法の一つ。別名非水洗式、自然乾燥式、ナチュラル、ドライプロセス、ドライメソッドとも言われる。水を殆ど用いない精製法の総称。現在最もよく見る表記はナチュラル、続いて非水洗式。
ウォッシュド(水洗式)より古くから行われている伝統的な精製法で、世界各国の主に水を大量に確保できない地域などで採用されている。そのプロセスはざっくり別けて二段階。
1.摘み取ったコーヒーチェリーをパティオと呼ばれる乾燥上に並べ、そのまま数日間天日干しにし、十分に乾かす。その際、定期的に攪拌し、乾燥むらが出来ない様気を配る。天候によっては陰干しすることもある。
2.機械などで脱穀、チェリーから生豆を取り出す。
これを各地域に則った方法で格付けし、出荷する。
ウォッシュドに比べ作業工程が単純であること、設備が安く低コストであること、人手が少なくて住むこと、大量の水を必要としない、などの利点があり、出来上がったコーヒーには独特のコクと丸み、甘さが生まれる。
一方で乾燥の進行具合が天候に左右される、乾燥に時間が掛かる、土や小石などの異物が紛れ易い、広い土地が必要といった欠点も持つ。また乾燥が遅れると豆が発酵してしまい、逆に早すぎても干からびてしまうため、水洗式に比べるとどうしても欠点豆の混入率が高くなりがち。
それ故か、一般に豆の品質はウォッシュドより劣るといわれがちだが、何れも管理次第で品質の向上・劣化はありえる上、上記の通りアンウォッシュドにはウォッシュドにはない独特の風味があり、また農園の環境、規模、設備、コストなどでも最適な精製法は変わってくるため、一概にどちらが優れているとは言いきれない。
現在は水が豊富に確保でき、設備投資が可能な農園や地域ではウォッシュドに切り替わる動きが大きいが、ウォッシュドが当たり前となった地域や水洗用設備がある農園でもアンウォッシュドコーヒーが持つ独特の風味を評価し、あえてこちらを採用するという動きもある。
主な採用地域はエチオピア、イエメン、ブラジル、アフリカ大陸の一部の他、インドネシアなどの一部商品など。もちろん同じ国なら全て同じ精製法をとっている、というわけではない為注意。
関連用語 ウォッシュド セミウォッシュド スマトラ式 パルプドナチュラル 精製 パティオ
アフリカンベット
アンカップ
イタリアの陶器メーカー。d'ANCAP社。40年以上の歴史と実績を持つ。1964年創設。
イタリア式のデザインとスタイルを取り入れた真っ白い陶磁器を製作している。様々な商品シリーズが存在し、プレートからボール、卓上アクセサリーに至るまでテーブルウェアを一通り揃え、本国イタリアはもちろんヨーロッパをはじめとした各地のホテル・レストラン・カフェなどで高い評価を獲得、その出来栄えは美術館での永久保存指定を受けるほどである。
特に同社の手がけるコーヒーカップは機能性、耐久性が高く、とりわけ「エディクス」、「ローマ」、「トリノ」、「ベローナ」シリーズは十分な厚みとコーヒー(特にエスプレッソ)に最適な形状とサイズを持つとされ、イタリアのバールをはじめエスプレッソ系のカフェで広く使われている。日本でも目にする機会は少なくなく、カフェでは勿論、規模の大きいコーヒー用品店などでもしばしば取り扱いが見られる。
カップの裏に刻印が刻まれており、大きな「A」の上に点を三つ(’’’)つけた様なロゴが特徴。その下にd'ANCAPの文字が入る。また、「エディツィオーネ」と呼ばれるやたら特徴的な柄物のシリーズなど、真っ白な物以外も製作している。価格は何れも一カップ辺り1000円以上から数千円代前半程度まで。
高級食器というよりは所謂機能性と耐久性を重視した業務用及び普段使い用のちょっとだけ良いカップ……といったところ。
アンダーデベロップ
未開発という意味。アンダーデベロップメント。デベロップ一つでは開発という意味を持つ。
コーヒーの世界では焙煎不足・熱量不足の豆のこと。あるいはその様な豆が出来てしまう焙煎のことを言う。
例えばライトローストの場合、通常の火力だと焙煎時間が短すぎる為、あえて火力を抑えてじっくり焼くことがあるが、熱量を絞りすぎるなどして時間を掛け過ぎてしまうと出来る。このようにしばしば低温焙煎において見られる失敗品の焙煎豆。
強すぎる酸味や強い収斂性(下をしばる様な不快な渋み)、未熟な香りや生豆の持つ生臭さが残るなど、とても美味しくないコーヒー。