JHDC
ジャパンハンドドリップチャンピオンシップ(Japan Hand Drip Championship)の略。
2012年より日本スペシャルティコーヒー協会の主催で開催されているハンドドリップの日本大会である。日本国籍を持つ18歳以上の人ならばプロ・アマ問わず誰でも参加可能で、スポンサーが指定(用意)する器具を使用し、抽出の優劣を競い合う。指定される器具はドリッパー、ペーパー、サーバー、そしてグラインダー(ミル)の計4つ+決勝ではネルドリップ用のフランネルを加えた計5つ。ハンドドリップに必要な基本的な器具の内ドリップポットを除くほぼ全てが指定されていることになる。(ドリップポットも用意されるが、こちらは持参品の使用も可)
また、これら以外に参加者は音の出ないタイマーや温度計、粉ふるいなど幾つかの器具の持込(持参)が認められているが、これらには特にメーカーの指定などは無い。
予選はトーナメント方式で行われ、大会競技会が用意した豆を使ったペーパードリップを二回行い、決勝はプレゼント方式で行われ、豆は参加者自身が用意し、ペーパードリップもしくはネルドリップを二回行う。いずれも一回のカップクオリティのみではなく、二回淹れたコーヒーの均一性も評価される為ドリップの安定感も必要となる。
なお同協会が主催する他の大会とは違い、JBC(ジャパンバリスタチャンピオンシップ)に対するWBC(ワールドバリスタチャンピオンシップ)と言ったようなJHDCの世界大会にあたるものは無い。日本国内だけの、いわば内輪の大会であるといえる。
JLAC
ジャパンラテアートチャンピオンシップ(Japan Latte Art Championship)の略。
2009年より日本スペシャルティコーヒー協会が主催するラテアートの全日本大会。国内におけるラテアートの大会は他にも大小問わず多々あるが、JLACはラテアートの世界大会であるWLAC(ワールドラテアートチャンピオンシップ)の日本代表選手を決める国内最大の大会である。
競技はWLACのルールに則り、8分間にカフェラテorカプチーノ、エスプレッソ・マキアート、デザイナーラテの三種のコーヒーをそれぞれ二杯ずつ、計6杯作成し、その芸術性や独創性、再現性、複雑さを競い合う。この時シンメトリーであることが特に重要であるとされる。
また、作成の手際などのプロセスも評価対象となるが、作成に使うエスプレッソマシンやグラインダーは主催者側が用意した物を使用しなければならない為、参加者は予めそれらのマシンに慣れておく必要がある。
この大会の起こりは2008年WLACにて日本代表選手の岡田章宏が第三位の結果を修めたことにある。この事をきっかけに元々SCAJ展示会のエキシビジョンとして2006年以降開催されていたラテアートコンペティションを前身に開催される運びとなった。その為かは分からないがその結果これまでに大会の優勝者の中から世界大会優勝者を二人輩出するなど好成績を修めている。
JSC
ジャパンサイフォニストチャンピオンシップ(Japan Siphonist Championship)の略。
もともとJBC(ジャパンバリスタチャンピオンシップ)のサイフォン部門として2003年以降開かれていた大会を、2007年に規模の拡大を行った上で独立させた大会。日本スペシャルティコーヒー協会主催。例によって世界大会であるWSC(ワールドサイフォニストチャンピオンシップ)の日本代表選手選考会としての側面も持つ、サイフォニストの日本一を決める大会である。
参加者は用意されたサイフォンと熱源以外のほぼ全ての器材と材料(コーヒー豆を含む)を持参し、コーヒーの抽出を行う。用意するコーヒー豆は基本的に自由だが予選ではブレンドのみが認められれいる。それらを用いて予選ではブレンドコーヒーの抽出を4回、決勝ではそれに加えてシグネチャービバレッジ(コーヒーを基本としたアルコールを含まないオリジナル飲料)を4杯用意し、その出来を競い合う。
評価対象にはコーヒーの味だけでなく、参加者の技量、知識、プレゼン能力なども含まれ、総合的に判断されることになる。サイフォンは他の抽出方法と比べてもパフォーマンス性豊かな独特な抽出器具である為、見ていて飽きない。
参加資格は日本国内在住の18歳以上の人のみ。
LGA
ロウグロウンアトランティック(Low Grown Atlantic)の略。コーヒーの等級の一つ。
標高で等級分けする国の内、主にコスタリカの大西洋側地域で使われている名称である。概ね標高150m~600mの地域で生産された豆を指し、同国同地域において最も低い等級(第三等級)となる。
一つ上はMGA(ミディアムグロウンアトランティック)。
L値
明度のこと。色の明るみを表す単位。明度が100%=L値100を白、明度0%=L値0を黒とし、色の明暗を現す。色差計(L値計)を用いて判定される。
コーヒーの分野では主に豆の焙煎度合いを表すために用いられる。
一見客観的に思えるこの数値も、例えば高火力を用い5分で焙煎を終えた豆も、低火力で持って1時間かけて焙煎した豆も、仕上がりの明るさが同じであれば同じL値になる為、消費者が豆を選ぶ場合にはあくまで参考程度にしかならないことに注意。
余談だが住宅用語にもL値という値があり、こちらは床の衝撃音に対する遮音性能を表し、数値が小さいほど遮音性能が優れているそうである。