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気楽に楽しむコーヒー

アメリカンコーヒー

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アメリカンコーヒー

アメリカンコーヒー

アメリカ式コーヒーというか、アメリカ式っぽいコーヒーというか。
日本においてアメリカンコーヒーと呼ばれるコーヒーは大きく別けて三つほどある。


1.浅煎りのコーヒー豆を使って入れたコーヒーのこと。
概ねシナモンローストと呼ばれる浅煎りの豆を使うが、さらに浅煎りのライトローストや一段階深いミディアムローストを使うこともある。煎りが浅い為、酸味が強く苦味が弱く、全体的に薄味と言った印象になる。タンニンやカフェインが多くなりやすい。荒挽きを使う場合が多いか。


2.コーヒーをお湯で薄めた物。
古くからある喫茶店やファミリーレストランの中にはこちらのタイプの物もある。使用される豆は浅煎りより中煎りや中深煎りの物が多く、概ねその店のブレンドコーヒーがベースとなる。


3.コーヒー豆に対する湯量を多くし、通常より薄く淹れたコーヒー
豆の量が同じ場合は湯量を多くして通常よりも抽出量を増やし、湯量が同じ場合は豆の量を少なくして通常どうり抽出する。多くの場合は中煎り程度の豆を用いるが、浅煎りの豆を使うこともある。


いずれにも共通して言える特徴としてコーヒーの見た目と味が薄いことが上げられる。これは昔アメリカにて好んで飲まれていたコーヒーが色の薄い薄味のコーヒーだったことに由来するといわれている。何らかの理由でこの事を知った日本人がアメリカを真似た結果なのだろう。あるいは日本に来ていたアメリカ人好みのコーヒーを出そうとした結果だ、という話やアメリカのダイナーで出されていた飲み放題の薄いコーヒーを真似たから、という話もある。


アメリカで色の薄いコーヒーが好まれた理由ははっきりしないが、よく語られる話は二つ。一つはそもそもアメリカにとってのコーヒーはボストンティーパーティ以前に飲まれていた紅茶の代わりであったからというもの。深く煎るより浅く煎った方が紅茶の味わいに近く、色合いも近くなる為、浅煎りのコーヒー=色の薄いコーヒーが好まれたというもの。

二つ目は西部地区の硬度の高いアルカリ性の水質に合わせた結果、浅煎りのコーヒーが選ばれ普及したというもの。この地区の水がそのまま飲むには向いてなかったのも要因の一つだといわれる。

これらの理由からアメリカでは薄いコーヒーというよりも浅煎りのコーヒーが好まれるようになったのだといわれ、これを根拠に「アメリカンコーヒーとは本来アメリカで飲まれていた浅煎りのコーヒーのことであり、お湯で薄めたコーヒーのことではない」と言われる。

一方で「ボストンティーパーティ以降元々は普通の濃いコーヒーを飲んでいたが、水代わりの様に飲むには薄い方が向く為、濃いコーヒーを薄めて飲むようになった。それをどこかで浅煎りのコーヒーを飲んでいたと改変されたのだ」という話もある。この場合コーヒーは恐らく浅煎りではなかったのだろう。またこの場合はお湯で薄めたコーヒーこそ正しいアメリカンコーヒーだということになる。

とはいえアメリカ東部の方では濃い目のコーヒーが好まれていたらしい。これは水質が西部ほどアルカリ性が強くなかった為と説明されるが、つまるところアメリカのコーヒー=色の薄いコーヒーとは限らないということである。

アメリカといえばダイナーで出される飲み放題のコーヒーも薄めではあるが、必ずしも浅煎りのコーヒーを使ってるとは限らない。煎り具合は浅煎りから深煎りまで様々で、抽出量もまちまちである。とはいえ昔はコストを抑える為にしばしば浅煎りの豆と多めのお湯を使い薄く抽出していた(上記の3種では3にあたる)らしく、このことが「アメリカのコーヒー=薄くて不味い」という風評に繋がった時代もあったという。

他にも「深煎りより浅煎りの方が保存が利くため長距離の運搬に適していたから」「浅煎りの方が深煎りより体積辺りの重量が大きい為グラム売りをした時の利益が大きいから」「同重量で比べた場合浅煎りの方が体積が小さい分運搬に向いていたから」など色々な話がある。


何れにせよ日本においてアメリカンコーヒーと言った場合やや薄味のコーヒーを指していると思って間違いない。それが薄めたコーヒーなのか、湯量を増やして抽出したコーヒーなのか、浅煎りのコーヒーなのかはその都度確認するしかないだろう。勿論同じ豆を使っていてもこれら三種の淹れ方で味わいは大きく異なる。特に3は過抽出になるような気がするのだが、適した豆が有るかもしれない。薄めたコーヒーも元が美味しいコーヒーとお湯であるなら十分美味しい物である筈だし、1の浅煎りのコーヒーも適した豆を使えば他とは大きく異なる味わいを楽しめるはずである。


最後に余談だが、アメリカのカーボーイたちの間で流行ったパーコレーター式のコーヒーもアメリカンコーヒーの一種に数えられることがある。暖を取る為に薄いコーヒーを淹れ沢山飲んでいたそうだ。挽きは粗挽きだったらしい。

また、アメリカは色の薄いコーヒーが好まれると書いたがそれは昔の事で、今ではシアトル式エスプレッソのほか、日本式のペーパードリップ、昔からある薄めのコーヒーなど様々なコーヒー文化がある点には注意されたし。

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