アイストゥ・コーヒー
オーストラリアで飲まれているアイスコーヒーの一種。Iced Coffee。アイスドゥコーヒー。
コーヒーフロートのようなもので、砂糖入りの冷たいコーヒーの上にアイスクリームと生クリームが乗っている。
フロートタイプだけでなくコーヒーとクリーム類が混ざった状態のものもあり、場合によってはその上にさらにチョコパウダーが振ってあることもある。使うコーヒーはエスプレッソが殆ど。
日本の感覚で単にアイスコーヒーと頼むとこれが出てくるため、砂糖抜きのブラックアイスコーヒーが欲しい場合、「冷たいコーヒーを、クリーム、アイスクリーム、砂糖抜きで」と頼む必要がある……が、アイス抜きと頼むと氷なしが出てくることもあるため日本式に言葉を略さないよう要注意。
アイリッシュコーヒー
コーヒーを使ったカクテルの一つ。アイリッシュの名の通り、アイルランド南西部の港町フォインズ発祥。
1942年にアメリカ・イギリス間を渡る飛行艇の乗客の為に考案されたといわれるカクテル。当時のプロペラ飛行艇は後の陸上旅客機と違い、航行距離が短く、途中何度か燃料補給をする必要があった。フォインズもその為の中継基地のひとつだったのだが、冬場はとても寒く、飛行艇の機密性も低い為あまり暖房が効かなかった。その上乗客たちは給油中は安全の為機内に残ることができず、寒い中基地内の待合室まで移動しなければならなかった。
そこで、寒さに震える乗客に体を温めてもらおうと、当時のフォインズ中継基地のレストランシェフ、ジョー・シェリダンがアイルランド名物アイリッシュウィスキーを使った「アイリッシュコーヒー」を考案したといわれている。
その後フォインズ近郊のシャノン空港での提供、サンフランシスコへのレシピの伝播などを経て今日のような知名度を誇る一般的なカクテルとなった。
因みに飛行艇とは水上着陸する飛行機のこと。その為給油基地は今で言うところの「空港」ではなく、船舶が停泊する「港」に近い水上飛行場となる。フォインズの場合はシャノン川の中洲にあり、待合室へはボートで移動した。
またアイルランドは北海道より緯度が高い。冬の水場のアイルランドをボートで移動、と聞けば少し寒さが想像できるのではないだろうか。
基本的なレシピは
・ホットコーヒー150ml~200ml
・アイリッシュウィスキー30ml
・角砂糖2~3個
・生クリーム適量
コーヒーはしばしば深入りのものが指定されるが、これはクリームや砂糖との相性を考えてのこと。またアイリッシュウィスキーはジェムソンスタンダードを使った物が日本では一般的だがタラモアデューの方が合っていると言う声も多く聞く。砂糖はザラメやブラウンシュガー、コーヒーシュガーなどを使うこともある。
温かいコーヒーに常温のウィスキーを入れてしまうとコーヒーが冷えてしまう為、ウィスキーは何らかの方法で温めて置くとよい。家庭で作る場合は湯煎やレンジを使うのが一番楽だが、バーなどではしばしばウィスキーに砂糖を入れた後直接火をつける方法が取られる。もちろんコーヒーの種類やウィスキーの銘柄を変えるだけでも味は大きく変わるため、試してみるのも面白い。中には酒好きからしたら勿体無いと思われそうな高価あるいは貴重なウィスキーを使って楽しむ猛者もいる。コーヒーカクテルの大会WCIGSCおよびJCIGSCの決勝のお題でもあり、同大会では作り手による様々な工夫を見ることができる。
ウィンナコーヒーにウィスキーが入った物、などと説明されることもあるが、ウィンナコーヒーとは違い基本的に生クリームはホイップせずに使うか、立てても概ね3分立て未満程度で使うことのが基本である。
また、上記の逸話からかウィスキーはアイリッシュウィスキーに限定されている。アイリッシュウィスキーとはアイルランド産のウィスキーの事である。その為、厳密には他国のウィスキーを使ったものはアイリッシュコーヒーとは呼べず、ベースとなる酒類が変わると以下のように名称が変わるため注意されたし。
・スコッチウィスキー(スコットランド産ウィスキー)→「ゲーリックコーヒー」
・コニャック(フランスコニャック地方のブランデー)→「カフェロワイヤル(ロイヤルコーヒー)」
・アクアビット(ジャガイモを主原料とした蒸留酒)→「スカンジナヴィアンコーヒー」
・カルヴァドス(フランスノルマンディー地方のりんごの蒸留酒)→「ノルマンディコーヒー」
・アイリッシュミスト(アイリッシュウィスキーで作ったリキュール)→「アイリッシュミストコーヒー」
近い物としては「カナディアンコーヒー」という物も。(カナディアンウィスキー(カナダ産ウィスキー)+ホイップクリーム+メイプルシロップ)
アヴィセンナ
ペルシャの知識人・哲学者・医者・科学者イブン・スィーナのラテン読み(980-1037年)
コーヒーの具体的な飲み方や口当たり、医学的な効能の記述を残しており、コーヒーが薬用として知られていたことを示している。これはアラビア人医師ラーゼスに次ぐ二番目に古いコーヒーの記録だといわれている。
アエロラッテ
ボタン一つでフォームドミルク(泡立てたミルク)が簡単に作れるという「アロエラッテ・ミルクフローサー」のこと。またそれを作っている会社。1998年設立。本部はロンドン。
マグカップやミルクピッチャーなどに入れたミルクを直接泡立てることが出来る小型の電動泡だて器「ミルクフローサー」の元祖と言われる。「アエロ」は空気「ラッテ」は牛乳という意味。アロエラテと見間違えないように。
アカネ科
植物分類学上のコーヒーの所属科。コーヒーは植物学上、植物界被子植物門双子葉植物綱アカネ目(リンドウ目)アカネ科コーヒーノキ(コーヒー、コフィア)属に所属する植物のことを指す。
アカネ科の植物は低木もしくは草花で、熱帯に多く分布している。草花は温帯にも分布しており、アカネ、セイヨウアカネは日本でも馴染み深い植物である。
アルカロイドを含む種が多く、コーヒーもその一つ。(カフェインはアルカロイドの一種)